パワーリザーブ Power Reserve

ゼンマイ式の機械式腕時計では、手巻きであれば自分でネジを巻いて、自動巻きであればローターが回転してネジを巻いてくれます。香箱の中に格納されたゼンマイが解けるトルクを利用して時計が動作しているわけですが、コレが完全に解けてしまうと時計は止まってしまいます。つまりパワーリザーブとはこのゼンマイがあとどれだけで解けてしまうのかと同意です。また、それを見えるようにしたものをパワーリザーブ・インジケーターと呼びます。

一般的には40時間ぐらいが普通でしょうか。しかし最近ではパネライをはじめ様々メーカーが香箱を複数装備することでロングパワーリザーブを実現しています。しかしながらロングパワーリザーブは時計の精度に直接影響します。ゼンマイが最大に巻かれてからしばらくはトルクが足りているのですが、ゼンマイが解けてくるとトルクが減衰してくるので複数の香箱を使うということは、トルクの安定が課題になることを意味します。

あとは大型香箱を採用するケースや、トルクの伝達を効率化して無駄を省きゼンマイの力を効率的に使う方法もあるようです。メーカーにとってはまさに腕の見せ所ですね。


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