時計の研磨仕上げ Finishing

腕時計には様々な装飾が施されます。こちらでは素材の表面を加工して施されるものをご紹介します。

■コート・ド・ジュネーブ(cote de Geneve)

ジュネーブ波型とも呼ばれます。ムーブメントや自動巻ローターの表面など、比較的広い金属部分に施される研磨仕上げの一つです。湖の湖面をイメージしたものだと言われています。伝統的な研磨仕上の一つで、名前にも腕時計の聖地であるジュネーブの名前が入っていることからもその伝統が垣間見えます。回転する研磨ディスクを少し傾けて素材に押し当てて横にスライドさせながら作っていきます。

■ペルラージュ(perlage)

フランス語で真珠を表すperleが語源になっており、見た目も丸い真珠がたくさん並んでいるように見えます。輝きが少し鈍いという点もまさに真珠といった感じですね。この連続した鱗状の模様は、金属面に回転する砥石を押し当てて、円系や半円系の模様を作ります。エンジンターンとも呼ばれます。

■サンバースト(sun-burst)

線状の模様が放射線状に渦を巻いているように施されています。その名の通り、強い日光が放射線状に伸びているイメージです。主に円形のパーツに施されることが多いようです。研磨する部品と、研磨ディスクをそれぞれ逆に回転させることでこの文様は作られます。ダイアルなどに用いるサンレイ、旭光とは別モノです。

■サテン(satin)

平行に走る細い線からなる模様です。直線、または円形に細かい傷を付けていくという感じですね。サンドペーパーにパーツを押しあてて、線彫りであれば直線的に移動、円彫りであればパーツを回転させます。ヘアライン仕上げともいいます。

■ポリッシュ(polish)

鏡のように反射する仕上げで模様はありません。鏡面研磨は目の粗いものから細かいものへ替えながら時間をかけて磨き上げます。鏡面仕上げとも呼びます。

■エングレーヴ(engrave)

その名の通り彫刻を施した仕上げです。時計ケースや内部パーツに施すことで、高級感を演出できます。ただ、その彫刻には高レベルな技術が必要になりますし、熟練した技師でも全く同じものは作れませんので、唯一無二のプレミアム感を満喫できます。研磨とは違い、陰影もくっきりと見えますので、芸術として目にも楽しいのがうれしいですね。


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