ただのコラム スイスメイドの定義 SWISSMADE

2015年2月15日(日)

先日某時計雑誌の編集者の話を聞く機会がありまして、そのときにおもしろいなと思ったスイスメイドの定義についてちょっと書いてみたいと思います。

スイスメイドと聞くとほとんどのパーツがスイスで製造されたものと受け取るのが一般的ですよね。しかし実際には某R社のダイアルなどは日本で作っているものもありますし、他メーカーにおいても昨今ではコスト削減のためパーツをアジア、主に中国などで生産し、スイスで組み上げる手法が増えてきているそうです。スイスで組み上げればパーツは全部中国産でもスイスメイド扱いなのか?という疑問がでてきますが、コレはさすがに”NO”です。スイスメイドと記載してよいのはスイス製造の割合が51%以上、つまり半分以上がスイスで製造されればスイスメイドを名乗ってもよいそうです。

次に「何を持って半分以上なのか?」という疑問が湧いてきます。パーツ数?重さ?とか考えてしまいますが、これがなかなかおもしろいもので「コストの半分以上」という設定だそうです。実はここがミソなんでしょうね(笑)

例えとして100種類のパーツからなる時計があるとして、No.1〜99までの99種類のパーツをコストの安い中国で製作し、。残りの1種類をコストの高いスイスで作ったとします。通貨はドルで統一します。どこのドルでも構いませんし別に円でもいいです。あくまで例ですから細かい突っ込みはナシにしてくださいね(笑)

パーツNo.1〜99(中国で生産):10ドル x 99個 = 990ドル
パーツNo.100(スイスで生産):1000ドル x 1個 = 1000ドル

パーツ1〜99までは中国で生産し、全部で990ドル。パーツ100はスイスで生産し1種類で1000ドル。というわけで全体のコストは1,990ドルです。コストだけを見たスイス製パーツの割合は見事に50%を超えましたのでこの時計はスイスメイドとなります。

これは何も時計だけに限った話ではありません。メイドインジャパンのPCについても台湾製チップなどが大量に載っているわけで、組み上げを日本で行えばメイドインジャパンになります。中国産などにいいイメージがない方も多いのでしょうが、品質管理がしっかりしていればそこまで悲観的になることもないのかなとも思います。とはいえ、決して安くない定価設定をしているにも関わらずコスト削減を謳う事に違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか。

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